第3話:10kgから12.5kgへの「厚い壁」 〜二度の崩壊と再起〜

順調な滑り出しと、不意に訪れた「激痛」

12.5kgへのジャンプアップ当初、滑り出しは順調だった。2ヶ月間、私は「半年後には15kgへ」と、傲慢な計画を立てていた。

異変は、ある出勤前のトレーニング後に起きた。通勤電車の中で、微かな肩こりを感じた私は、何気なく肩を回して解そうとした。

……その日の午後、私は地獄を見た。首から肩にかけて走る激痛。医者から渡されたのは数枚の湿布のみ。元の生活に戻るまで3ヶ月、トレーニングなど夢のまた夢だった。

二度目の崩壊。無視した「腰の違和感」

3ヶ月のブランクを経て、私は一度10kgに戻し、半年間かけて慎重に復帰した。そして満を持しての二度目の12.5kg。だが、今度は左の腰が「違和感」という名の信号を発した。

「これくらいなら、動ける」。私はまたしても、自分の身体を裏切った。

ジャンプアップから3ヶ月目、とうとう腰が悲鳴を上げ、私は崩れ落ちた。再開までに半年、違和感が消えるまで1年。12.5kgという壁は、あまりにも高く、険しかった。

「馴染ませる」という勝利の方程式

私は三度、10kgへと退却した。そこで半年、じっくりと基礎を固め直した。

出した答えは、「種目別の分離ジャンプアップ」だ。ダンベルプレスのみを12.5kgへ。アームカールは10kgのまま据え置き。この「欲張らない」判断が、運命を変えた。

1年かけてその重さを身体の芯まで「馴染ませる」。さらに1年かけ、15kgへと進んだ。
今、私は15kgを1セット35回、8セットを楽にこなす。鉄が身体の一部になった瞬間だ。

焦るな。1年2.5kg。その亀の歩みこそが、58歳の私を17.5kgという未知の海域へ導く、唯一の『羅針盤』なのだから。
そうだろう?

さて、準備はいいか。

[次の一撃(1レップ・アップ)へ進む]

もし迷いがあるなら、

[前に戻って(1レップ・ダウン)] 己を鍛え直してほしい。

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